澤田知子

人は人をどう判断するのか?
制作のテーマは「外見と内面の関係」です。

澤田知子

写真家
澤田 知子 様

私の作品に出会った方に、
いいことがあったらいいな

3月2日から5月9日まで、東京都写真美術館で写真展が開催される写真家の澤田知子さん。
会場には、澤田さんのデビュー作となった《ID400》から新作の《Reflection》まで、モノクロや色彩が艶やかに浮かび上がるものなど、個性的な表情を放つ無数のポートレート作品が並んでいます。人の「外見と内面の関係」をテーマに制作を続けられる澤田さんが、2015年頃から大切にしているキーワードが「仮面とお面」。お面には面のキャラクターを演じるという前提があるけれども、仮面には仮面のキャラクターを演じるという前提はなく、服装や髪型、メイクでいろんな表情を見せてくれる澤田さんの作品は、すべて仮面として表現されています。今回の『狐の嫁いり』というタイトルについて伺うと、「理由はいくつかあるのですが、『狐の嫁いり』というのは“天気雨”のことで、出会うといいことがあると言われています。それにかけて、写真展をご覧になった方、私の作品に出会った方にいいことがあったらいいなって、タイトルにはそんな思いも込めているんです」と話してくれました。

狐の嫁いり

出会いは大学時代、
購買部に堀内カラーさんの
受付窓口があったんです

澤田さんとの出会いは4年前、ある写真展への出展時にモノクロ作品をインクジェットでお出ししたことがきっかけです。その仕上がりを気に入っていただき、《BLOOM》という作品では「ファインアート」での出力を提案しました。こちらは美容雑誌で連載されていたシリーズということで、肌の質感やメイクのグラデーションが重要なポイントでしたが、紙との相性の良さをとても気に入っていただけました。「実は大学時代、購買部に堀内カラーさんの受付窓口があって、カラーポジフィルムの現像をお願いしていました。」と澤田さん。続けて「学生のときからそうですが、いつも丁寧に対応していただいて、私の好みの色とかを理解してくれる。テストプリントを見て、ちょっと違うなと思っても2回目には必ずパーフェクトに仕上げてくださいますし、新作の《Reflection》では、はじめてプリントをお願いするのに、テストプリントがもう私好みの仕上がりで驚きました」と、この上ない嬉しいお言葉をいただきました。

写真=浅野 豪 Photo: Takeshi Asano
東京都写真美術館「澤田知子 狐の嫁いり」展 会場風景(会期:2021年3月2日-5月9日)
Tokyo Photographic Art Museum
“Tomoko Sawada:To Be Bewitched by a Fox”[Mar. 2—May. 9, 2021]

狐の嫁いり
狐の嫁いり

会場風景(インタビュー動画より)

堀内カラー営業

艶やかできめ細やかな表現に
「ファインアート」を提案

今回の写真展では銀塩やファインアートによる出力と、会場内の施工を担当させていただきました。澤田さんの作品には、無数の表情があり、それが独特の世界観を生み出しています。そのひとつひとつの表情がより豊かに、意図される部分が効果的に表現できるように、作品に合わせてメディアを提案しています。今回、肌の質感やメイクなどの細かい描写がポイントとなる作品では「ファインアート」で出力いたしました。

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