堀内カラーでは、ここ数年「アルバムの中のプリントをデータ化したい」というお客様からのお問い合わせが増えてきています。こうしたお問い合わせの場合、アルバムのほとんどは「フエルアルバム」や「ポケットアルバム」のことを指します。
「フエルアルバム」は、1ページごとにしっかりとした台紙とフィルムがついた本型のアルバム。その最大の特徴は、シートの枚数を増やせることにありました。使い方は、フィルムをめくり、糊の付いた台紙に写真を配置してフィルムを戻すだけ。写真が空気に触れないように密閉状態に近づけることで、写真の褪色を防ぎ、何十年と写真を美しく保存できると昭和の時代に大流行したアルバムです。一般的に写真アルバムというとフエルアルバムをイメージする方が多いと思います。
一方の「ポケットアルバム」は、差し込み型のアルバムで、一般的に販売されているものの他、身近なところだと写真屋さんに同時プリントを頼むと、仕上がり時にもらえるA5サイズの薄型アルバムもそれにあたります。ポケットに写真を差し込むだけの手軽さと、持ち歩きやすいコンパクトさが魅力のアルバムです。
長年こうしたアルバムで保存されてきた写真たちも、何十年という時を経た今、色褪せなどの劣化が始まっています。そこで冒頭お話しした通り、何十年もの記録や思い出の詰まった写真たちを、この先少しでもいい状態で残せるように、写真のデータ化を希望される方が増えてきているのです。
アルバムに入れられたプリントの多くは劣化している
堀内カラーでは、実際にこうしたご依頼を受け、アルバムに保管されている写真のデータ化を行っておりますが、依頼されるアルバムのほとんどは劣化が進んでいます。
写真は空気に触れる事で劣化が進むため、アルバムに保管しているとは言えアルバム自体の経年劣化によるフィルムのヨレやページの隙間から空気が入り込み、どうしても劣化は起きてしまいます。アルバムを寝かせてページ同士が密着する様にし、かつ空気の動きの無い場所で保管すれば劣化は抑えられるとも言えますが、フエルアルバムの場合は本型のアルバムでもあるためそういった保管をするケースは非常に稀です。
長年経ったフエルアルバムは立てて保管されていることが多く、ページとページの間に空気が入り込み、写真の劣化を引き起こしたり、アルバム台紙の変形によるフィルムのヨレや糊の粘着低下により写真が落下することも起きています。
アルバムのデータ化は課題も多いのが現実
こういったアルバムをデータ化しようとした場合、基本的にはアルバムの(フィルムに入った)状態のまま写真をスキャンする方法をとります。劣化の状況によりアルバムのフィルムにプリントが癒着し、剥がす際に写真の感光層を剥がしてしまう恐れがあるためです。この方法の場合フィルムのヨレている部分に反射が出てしまうため、この反射を了承のうえデジタルカメラによる複写をする、という方法を取らざるを得ないのが現状です。
一枚一枚分割してデータ化するには、スキャン後にデータ上で分割する方法やアルバムを切り抜きスキャンする方法などありますが、通常のアルバムのスキャンに比べ時間がかかり、費用もかかります。このようにアルバムのデータ化については難しい部分が多々存在します。お困りの際は堀内カラーへぜひ一度お問い合わせ下さい。
画像補正について
また、堀内カラーでは褪色補正も行っていますが、これは完全に元の色に戻すというものではなく、黒色をしめたり発色を鮮やかにしたりと、現状の写真に対してできる限りキレイにするという作業。
どういう色合い、発色がベストかはお客様それぞれで違うものです。イメージしている絵に最も近づけるよう、堀内カラーでは熟練の技術によりプロ品質の画像補正を施します。
プリントされた写真は唯一無二で貴重なものとされることもありますが、唯一無二だからこそ、データ化を行い共有資産とすることを堀内カラーではお勧めしています。
長年蓄積された会社の資料も、活用次第では会社の資産になり得ます。古きを訪ねて新しきを知る温故知新のごとく、過去の資料から新しいアイデアが生まれることもありますので、ぜひ一度、写真や資料のデータ化をご検討ください。