ただデータ化するだけではダメ?
大量の資料や写真フィルム、貴重で捨てるに捨てられない資料がある場合、それらは物理的なスペースを取り収納コストがかさむ上に、経年劣化も進行してしまうため、まずデータ化を考えることが一般的になっています。
しかしながら、ただ省スペースや保管を目的としたデータ化は、いわばネガティブなデータ化の考え方と言えます。デジタルデータとして半永久的に画像の記録を残すことができるようになったとしても、結局それら写真資料の画像データを使うことができなければ単に死蔵化しているだけで、利活用ができないためです。
それに対してポジティブなデータ化とは、保管されたデジタルデータを利用し、新たな価値を創造すること。利活用を目的としたデータ化を行うことを言います。利用方法によってただ保管されていた古い資料や写真フィルムは新たな価値を生むことができ、「資料や写真のデータ化」とはその新たな価値の創造を目的としたものであるべきで、ただ保管することを目的としたデータ化はすべきではないと堀内カラーでは考えています。
資料や写真の利活用とは?
利活用と一言に言っても、その方法は千差万別です。プリントして作品や商品として利用する、知識資料として必要に応じて取り出せるようにする、閲覧用資料として誰もがアクセスできるようにする、など資料の種類やシーンによって全く違ってくるため、データ化の際には慎重に考える必要があります。ここでは分かりやすく企業での利活用の例を紹介いたします。
一般的に企業の場合、過去の製品や歴史、資料が写真フィルムと文字資料で残っているケースが多く見られます。かつてはプレゼン等にスライドプロジェクタが主に利用されており、その際のポジフィルム(リバーサルフィルム)も多く残っているようです。
これらの写真フィルムや資料は、スキャニングしデジタルデータ化された後、全てデータベース化をします。データベース化することで写真と、それに紐付く書誌情報が管理でき、また年代や分類、キーワードで検索することが可能となるためです。
このデータベースを企業では
・ブランディング
・マーケティング、ファン獲得
・社員教育
に利用することが多く行われています。
たとえばあるメーカー企業の場合
雑誌取材で昔の製品について質問を受けた際、データベースを利用することで高精細な写真資料の提供はもとより販売当時の時代背景、開発ストーリー、消費者の反響などを即座に答えることができ、完成した記事はより魅力的なものとなりました。更にはその記事を読んだ若い世代をファンとして獲得、新たな購買層を生むことにも貢献しています。
他にも100年以上続く老舗和菓子屋では
時代の変化、消費者の嗜好の変化はもちろん、戦争や大災害といった大きな流れを乗り越えてきた歴史。時代にあわせ変化を繰り返しながらも、創業から変わらない商品やそこにかける想いを、当時の写真や資料と共にデータベース化し、現在ではその歴史こそをブランディングに活用し一層の繁盛を続けています。
またある運輸業の企業では
完全に社内からしかデータベースを閲覧できないよう設計、かつて起きた事故現場の詳細な情報を写真と共にデータベース化し、二度と同じ事故を起こさないための社員教育に利用しています。写真と詳細な情報が紐付いているため、社員が生まれる前の事故も説得力をもった状態で保存でき、研修などで大きな効果を示しています。
これらは例であり、実際の利活用の方法はデータベースの数だけ存在します。この方法は熟考する必要がありますが、充実したデータベースを作成することができればそれは企業の正史と呼べるほどのものとなります。
企業の歴史や過去製品の詳細を調べる際、どこにその資料があるか分からなかったり、誰かに聞かなければ分からなかったりすれば情報の引き出しには時間と労力がかかることになり、また資料の紛失や退職によって企業の情報が失われてしまうことも考えられます。企業の正史を詳細に保存し、容易に誰もが取り出せる仕組みがデータベースであり、利活用を考える際には重要なツールと言えます。
データベースは使いやすさが最重要
利活用のプランを考え、充実したデータベースを作成することが重要とここまで書いてきましたが、それを使うことが出来なかったら宝の持ち腐れということになってしまいます。データベースを導入したはいいけど、目当ての情報がうまく検索できない、新しい情報を追加しづらい、写真や文字が分かりづらい等、効果的に使用できないケースは多いようです。せっかくデータベースを入れたのに情報が欠落したり、操作できる人が限られてしまい結局属人的になってしまっては元の木阿弥です。
データベースの良さは、誰もが容易に即座に目的の情報を引き出せるアクセス性の良さと、情報の検索や閲覧、追加のしやすさにあります。更にその情報に高精細な写真が紐付いていれば情報の説得力、情報量は飛躍的に向上します。
堀内カラーではデータの利活用まで考慮したデータ化を推奨しており、プロラボとしての経験と豊富な実績、多彩なスキャニング用プロ機材からデータベースのご用意まで取り揃え、お客様の大切なデータの利活用を最大限お手伝いさせて頂きます。
写真フィルムをはじめとしたデータ化を検討している方、データベース化を検討している方、どうしたら良いか分からない方、まずは一度ご相談ください。